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扉が壊れんばかりに勢いよく開かれる
クラス中が視線を向けた先に居たのは芽吹だった。
千尋は親しみと芽吹ちゃん仲良くしようね、の意思を込めてメブちゃんと呼ぶ。
ーメブちゃん、おはようー
芽吹は綺麗な千尋さんくたばって下さいの悪意を込めて
ーキチクさん、おはようございますー
キチクさんと呼ぶ。
正直この妙なやり取りももう慣れた。
分かりやすく芽吹は千尋が嫌いである。
芽吹と千尋の間に見えるはずの無い火花(芽吹の一方的な敵対心)が見える。
だが、その分かりやすい敵対心に千尋は昔から気がつかない。
その鈍感さがより芽吹の敵対心を増長させている。
早々に芽吹には撤退してもらいたい
要件を聞いてみよう。
ーなんでウチのクラスに来たんー
ーうるせぇ、クソ兄貴ー
クソ兄貴と呼ばれるのは慣れたが
せめて最後まで喋らせろ……
とりあえず、要件はこうだった。
《忘れたから、シャーペン貸せ》
せめて貸してくれだろ…
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