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妹の要件を俺は聞き入れられない。
シャーペンなど普段から持ち合わせていないからだ
その旨を伝えると妹は眉間にシワを寄せる。
ー何で持ってないのよ!ー
お前が言うな
面倒くさいが説明してやろう
ー将来的にはシャーペンなど使う機会が少ない、仕事の書類も生活に必要な書類への記入も全てがボールペンだー
死んだ親父の受け売りだ
将来の為将来の為と口癖の様に言っていた。
ーはぁ?なにそれバカじゃないのー
父親への尊敬も関心も皆無だった。
俺は何だか瞳が潤んでしまう
とりあえず千尋がシャーペンを貸してその場はなんとかなった。
おそらく、千尋に返すときには芯を全て抜く等嫌がらせをするのは眼に見えている。
芽吹が自分の教室へ帰ってすぐ
再び俺達のクラスの扉は開く
大柄でスーツ姿の男と
そいつに首根っこを掴まれ、無理矢理連行されている金髪の男
スーツの方は体育教師の曽我部 史規
金髪の方は矢見親 輝
曽我部は俺達2-Cの担任で輝は悪友である。
曽我部は輝を捕まえたままホームルームを始めた。
クラスは知ってる顔も知らない顔も様々あり俺は少々心配だ。
元来人付き合いがあまり得意ではない性質の為友人は然程多くはない
後ろの席の千尋がもっと表情を柔らかくしなさいとペンで俺の背中を刺してくる。
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