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ペンで刺されているだけで俺は鳥肌が立つ
それは芽吹とは違うもう一人のモンスターのせいだ
草賀 紫吹
すぐに俺を殺して自分も死のうとする危ない妹だ
そんな性質を持っていながらまだ小学生6年生というから将来が怖すぎる
紫吹は学校帰りに俺が迎えに行かないとランドセルから裁ち鋏を取りだし襲おうとする為俺は欠かさず(欠かせず)迎えに行く
それは今日も今日とて変わらない
始業式とホームルームのみのため昼前には下校し、寄り道せず紫吹のいる清林小学校へ向かう
校門前に立つ可愛らしい女の子の皮を被っているのが紫吹だ
正直怖い
変なモードに入った紫吹は躊躇いなく攻撃(刺殺)しようとしてくるが
普段は優しい何処にでもいる女の子
そのギャップが恐怖を増長させている。
諦めたように俺は迎えに来たと話し掛ける
満面の笑みを浮かべ手を振りながら近づいてくる
手に何も持っていないことを確認し俺も手を振り返す。
もう一人姉が一人いるが他の二人のようなモンスターと比べれば至って普通の人間と言えよう。
草賀 雪吹
大学卒業後証券会社へ就職し今ではウチの家計を支えている。
母さんは紫吹を産んですぐ父さんと離婚、父さんは紫吹が二歳の時に亡くなった。
あれから十年が経つ、当時俺は何もできないただの子供、雪吹姉さんは高校一年生だった。
雪吹姉さんは少々俺にくっつき過ぎるのが問題だが本当に弟妹を大切に思っている自慢の姉だ。
紫吹も雪吹姉さんを母親のように思って慕っている
雪吹姉さんの話をすると紫吹はいつも笑顔
でも無い
ふと紫吹の顔を見ると前髪から眼に掛けて暗い陰ができている。
何故?
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