第1章

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第1章

空を見上げると、どこまでも、どこまでも青が続いている。 「いい天気だな」 ゆりを殺してから、数年経った。けれども、僕はこうして社会のど真ん中にいる。行き交う人々は、まさか渋谷のど真ん中に殺人を犯したものがいる、などとは考えもしていないだろう。 あの日、僕が変わったあの日から、ゆりが、ゆりの死体が見つかろうが、見つからなかろうが、どっちでも良くなった。いや、それどころか、ゆりのこと自体を憎むだけで、被害者としての心情ばかり大きくなっていた。 ただ、僕の気持ちとは関係なく、どうやら警察は僕を捕まえる気はないらしい。それはゆりの死体が見つからなかったなのか、それ以外の理由があるのか、見当はつかない。 とにかく、今、僕は渋谷にいる。
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