245人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
その声に振り向けば、白衣を着た看護士が私を見ていた。
「いえ、いいんです」
看護士は怪訝そうな目を私に向けた。
その目から逃げるように、エレベーターへと向かった。
何してんだろう。
私は何をしに来たんだろう?
人ごみをかき分ける様に、病院を出て駅へ向かう。
亨さんの子供が見たかったの?
ううん、違う。
見たくなんかない。
じゃぁ、いったい何がしたかったんだろう。
自分でも分からない何かが、私の身体を乗っ取ったように、突き動かした。
最初のコメントを投稿しよう!