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「そうですね。ぜひ、ご一緒させてください」
大丈夫、別に現場に達哉がいるわけじゃない。彼と顔を合わせることなんてないはず。
内心の動揺を押し隠し、私は課長に笑みを返した。
「良かった。建設部の連中も、俺だけ行くより麻倉も顔出してくれた方が嬉しいだろ」
「はは、どうですかね」
憂鬱だった心がほんのちょっと軽くなる。
課長は本当に私の気分を上げるのがうまい。
「じゃあ30分後。今日は俺が車出すから」
「わかりました。お願いします」
沖縄出張の手配を済ませて支度をし、私と課長は久しぶりの現場へと向かった。
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