忘れ得ぬ一夜

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「そうだ。お二人とも、時間あるなら中も覗いていかれませんか?」 「え、いいんですか?」  建設部員からの急な提案に、私は思わず課長の顔を覗きこんだ。 「どうです? 課長」 「そうだなあ、ちょっと見せてもらうか」 「是非、お願いします」 「じゃあ、こちらへどうぞ」  案内を買って出たくれた社員からヘルメットを受け取り、工事資材で溢れる敷地の中を進む。  オアシスタウンの中心であるモール型の施設はまだ鉄骨がむき出しの状態だった。  でも、駐車場を挟んだ向かい側に立つレストラン街は、大方外装が出来上がっていた。 「そういや、麻倉さんがやってた『リストランテ Hira』、今日から内装工事始まってますよ。そちらにご案内しましょうか」
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