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「上村さん、ご結婚ですか? 知らなかったわ、おめでとうございます」
呆気に取られている達哉に向かって、片手を差し出す。作り物の笑顔を貼り付けて、躊躇している達哉に構わず彼の手を取った。
「ありがとう……ございます、麻倉さん」
「上村さんが選んだ方だもの、きっと素敵な方なんでしょうね。羨ましいわ」
最後に、ダメ押しの笑みをもう一つ。そして、握る手に力を込める。
信じられない、こんなの。馬鹿にするにも程がある。嫌味ならいくらでも出てきそうだった。
……ねえ達哉、私は上手く笑えてる?
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