忘れ得ぬ一夜

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「やだ、ひどい顔……」  ミラーに映る私は、我ながら見るに堪えない顔をしていた。  広い現場を歩いてメイクが少し崩れ、顔色も悪い。  そうか、課長はわざと一人にしてくれたんだ。早く自分を立て直さなきゃ。  道路の向かい側にあるコンビニに入り、化粧室で手早くメイクを直す。  レジで先に会計を済ませ、セルフの珈琲を二人分淹れ終えたところで、ジャケットの胸ポケットに入れていたスマホが鳴った。
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