2301人が本棚に入れています
本棚に追加
カウンター席に座り、棚にズラリと並ぶお酒の瓶を順に眺める。
「お客様、ご注文はお決まりですか」
「ええと……」
下段にある色とりどりのカクテルリキュールの瓶を目で追い、上段へ。
ふと、あるお酒に目が留まった。
「そうね、ジントニックお願いします」
「……かしこまりました」
バーテンダーが返事をするまで、数秒の間があった。
おそらく私が目を留めたお酒に気がついたんだろう。
グリーンの瓶が美しいタンカレー。度数が高くて、私はトニックウォーターで割った方が好きだった。
「久しぶりなの。楽しみだわ」
タンカレーは、達哉が好んで飲んだお酒だった。
最初のコメントを投稿しよう!