忘れ得ぬ一夜

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 あのクリスマスの夜以降、達哉とはもう会っていない。  達哉が何故私ではダメだと思ったのか、その理由を知りたいとは思った。  でも、私から達哉に連絡を取ったりはしなかった。  私たちは『合わなかった』んだ、きっと。  それが性格なのか価値観なのか、それとも身体の相性なのか、私にはわからない。とにかく達哉は、私とは『合わない』と判断した。  それならばそれでいい。私が無理して彼に合わせる必要なんてない。  また私が、私に相応しいと思う相手を選び出せばいいだけのこと。  今までだってそうして来た。  たった一人の男のために、自分の生き方を変える必要なんてない。 「はい、終わり。じゃあ、次」  私は隼人興産のファイルの下から新しいファイルを取り出すと、書類をぱらぱらと捲りながら会議室をあとにした。
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