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転校初日。
「おぉ、おはよう」
「……おはようございます」
「はは、緊張してるみたいだね。俺は沢村剣吉、君の担任だ。一年間よろしく頼むよ」
俺は職員室にて担任の先生である沢村剣吉先生に挨拶をしにきていた。20代後半くらいだろうか。長髪を後ろに結わい、とても真面目そうな先生である……いや、でもちょっとタバコ臭い。
「これから教室向かうから、俺が紹介したら中に入ってきてくれ」
「……はい」
「えっと……名前は……名簿見たけど漢字が読めなくてね……なんて読むの?」
……来たか。転校するにあたって俺の最初の関門。というか、向こう一年背負い続ければならないかもしれない試練。
「……はさき……みつば……です」
ボソッと小声で呟いた。波崎光刃(はさきみつば)これが俺の名前。女みたいな名前だから昔からコンプレックスを抱いてる。この名前が原因で小学生の頃軽いいじめを受けた。中学ん時も名前をよくいじられたっけ。
はぁ……思い出したくもねぇ。
「うむ、波崎光刃君だね。よし、そろそろ教室行くか」
こうして俺は沢村先生の後ろに付き、自分の教室に向かうことに。
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