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朝のホームルームを終え、授業に備える。その間にトイレに行く者や友達と談笑する奴ら……俺は友達もいないし、インパクトのある登場をしたせいで誰も寄って来ない。どころか、遠くの方でこっちを見ながらヒソヒソ話してる奴等さえいる。
……これでいいよ。もうバカにされんのはこりごりだ。バカにされるくらいなら一人で居た方がマシってもんさ。俺は授業が始まるまで机に突っ伏して寝たフリを決めることに。
「よぉ、転校生」
すると俺の机の前で声がした。十中八九……いや、百パーセント俺に向けての言葉だろう。俺はダルそうに身を起こした。そこには、多分クラスメートと思わしき男子が。
「なあなあ、転校ってどんな気分なんだ? やっぱ寂しかったりするのか?」
なんだコイツ……目がキラキラしていやがる。
「いや……えっと……」
「ちょっと泰史、いきなり何聞いてるのよ……波崎君困ってるじゃん」
俺が言葉に困っていると、男子の背後から女子の声が。
「もう……まずは自己紹介でしょ?」
「そうか……そうだったな。俺は岡田泰史。まぁ、一年間よろしく頼むぜッ!」
ニッと笑って手を差し出してきた。男子の名は岡田泰史(おかだたいし)明るくて元気な印象で、少し空気が読めない感じの奴だな。まぁ、握手くらいならしてやるか。
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