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ミーンミンミンミーン…
真夏の太陽が晴れ渡る青空の真上で、自身の存在をアピールするかの様に燦々と照らし出す中、1軒の家の中では項垂れる少年を囲む様に顰めっ面の2人組が睨みを利かせていた。
ワンタロー「まだ出来ないのか?!」
シンタロー「……終わったぁ♪」
1人テーブルの上のノートに目を向けて居た少年…シンタローは大声を上げたかと思うと、両手を上げて遣りきったと言わんばかりにそのまま後ろに倒れ込んだ。
ワンタロー「やっと終わったか…」
柚梨「答えが合ってるかは別として、お疲れ様」
シンタロー「やりゃ良いんだよ、やりゃ!!」
トントン…
そんな会話をしていると、扉を叩く音が聞たかと思うと突然扉が開けられた。
母「柚梨?貴女にお客よ」
アイフリード「今日わぁ♪」
ダキシ「よっ♪」
シン「どうもです」
柚梨「アイフリードさん?! ダキシさん?! それにシンさんまで!?」
柚梨の母の後ろから、此処では絶対に目にする事の無い姿に柚梨を初めシンタローもわんたろーも目を丸くして見やった。
母「もぉ、一寸ぉ♪貴女にこんな大人の素敵なお友達が居るなんて、お母さん吃驚よ♪」
柚梨「えっ!? あ…うん…」
母「それよりも柚梨!? 貴女、準備は出来てるの!?」
柚梨「えっ!? 準備って…??」
寝耳に水の事に柚梨は驚いた顔で母親を見上げた。
母「あら?貴女、この夏はこの人達の所で過ごすんでしょ??」
柚梨「はぁ!? 私そんなの知らないわよ!?」
ダキシ「またか…」
アイフリード「…アキよねぇ」
黒猫「にゃ~♪」
柚梨の表情に不思議そうに見詰める母親を余所に、アイフリードとダキシは全てを理解した様に頭を抱えた。その横でシンに抱き抱えられた黒猫は照れる様に一声鳴いていた。
母「まぁ、知らなかったのは良いから早く用意しなさいよ?」
柚梨「あ、うん…」
そう言うと母親は部屋から出て行くと残された気まずそうな3人は出て行く母親に頭を下げると室内に入ってきた。
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