第十三章 夏休みは共に…

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その光景を静かに見守る一同。 暫くすると目の前に1つの扉が出現した。 柚梨「此って…」 ワンタロー「間違いなくあれだよな…」 ダキシ「ん?どうしたんだ?ほら、戻るぞ」 柚梨「一寸待って下さい!! その扉って…」 目に前に表れた扉のノブを躊躇なく掴んだダキシに柚梨は慌てた様子で止めた。 ワンタロー「その扉で俺達酷い目に遭ったんです。だから止めた方が…」 ダキシ「何言ってるんだ?俺達はこの扉で此方に来たんだよ?」 アイフリード「そうよ?扉を潜ったら直ぐに此方の世界と繋がってて驚いたものねぇ♪」 柚梨「そう…なんですか?」 ダキシ「ああ。ほら…」 不安そうにする柚梨を安心させる為か、ダキシは静かに扉を開けた。その先には柚梨達が経験した真っ暗な闇は無く、船の甲板が目に入った。 その風景に柚梨とわんたろーは自分達の危惧だと思い直し、少し恥ずかしそうに顔を見合わせた。 ワンタロー「…だよな。アキがダキシさん達にまでそんな事する訳無いよな。 すみません。何でも無いです」 ダキシ「ん?…よく判らねぇが、さっさと戻るぞ?」 シンタロー「今回は直に甲板の上に繋がってるのかぁ♪それなら安心だな♪早く行こうぜぇ♪」 扉の先を見たシンタローは、目の前に見える異世界に早く行きたいと言わんばかりに2人に先を促した。 柚梨「判ってるわよ!! まったく…」 ダキシ「船が心配だから先に行くからな?」 黒猫「ダキしゃん♪ルンがダキしゃんが居ない隙に船で悪さしてるよぉ♪」 ダキシ「何!? ルンの奴……うわぁ!!」 黒猫の言葉に急いで船に戻ろうと扉を潜ったダキシが、扉を潜ったと同時に姿を消した。 シンタロー「兄貴!?」 ワンタロー「ダキシさん!?」 黒猫「2人も一緒に落ちろぉ♪ついでにシンもぉ♪」 シンタロー&ワンタロー「えっ!?」 シン「うわっ!!」 突然姿を消したダキシを心配する様に、扉に駆け寄ったシンタローとわんたろーの後ろから異様に楽しげな黒猫の声に身の危険を感じた。が、時既に遅し。 後ろから体当たりをする黒猫を避けられる事は出来なかった。 柚梨「えっ!? まさか…」 アイフリード「アキ♪良くやったわ♪」 黒猫「エヘヘ♪アイしゃんのご希望通りにしてみましたぁ♪」 扉に駆け寄ると、先程まで甲板が見えていたと思っていた扉の中は柚梨のよく知る真っ暗な闇が広がっていた。
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