第十三章 夏休みは共に…

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柚梨「…貴女…」 黒猫「だってアイしゃんがダキしゃんにノンロープバンジーをさせたいって言うからぁ♪」 柚梨「シンタローとわんたろーは兎も角…シンさん迄…」 黒猫「沢山のお肉料理に犠牲は付き物なのぉ♪」 柚梨「貴女思いっきり'ついでに'言ってたわよね!?」 黒猫「あ…まぁ、そんな時も有るさぁ♪」 黒猫の言葉に、ついでに犠牲になったシンを可哀想に思う柚梨だった。 黒猫「ま、アタシ達は直に甲板に行こうねぇ♪」 アイフリード「ダッちゃんが落ちる所を下で笑って見ましょ♪」 柚梨「……」 そう言って開いている扉を一度閉めてから開けると、アイフリードは扉を潜った。 今度は闇に落ちる事無く直ぐに甲板に繋がっていた。 アイフリード「わぁ♪ダッちゃん滅茶苦茶面白い顔して落ちてるわぁ♪」 ダキシ「うわぁぁぁぁ!!」 シンタロー「ダキシさん!! 助けてぇぇぇ!!」 ダキシ「抱き付くなぁ!!」 柚梨「シンタロー…アイツは何してんのよ…」 黒猫「おっ♪シンタローついにダキしゃんに抱き付いたぞぉ♪あはは♪」 アイフリード「アキ♪もう十分よ♪あぁ、面白かったぁ♪」 黒猫「はいにゃ~♪」 アイフリードの言葉に、黒猫は小さく呪文を唱えると上空に見えていた4人が突如として姿を消すと目の前が眩しい光が溢れだした。 シンタロー「ダキシさん!! 俺を離さないで下さいぃぃ!!」 ダキシ「キモいわ!! ……あれ?」 光が弱まると、目の前に先程上空を落下していた4人が姿を現した。 シンタローがダキシに抱き付く場面を目の当たりにする形に、柚梨は頭を抱えた。 柚梨「シンタロー…取り敢えずダキシさんから離れなさい…」 シンタロー「えっ!? あれ?」 黒猫「お帰りぃ♪楽しかったぁ?」 ダキシ「楽しい事あるか!! バカ猫!!」 甲板に戻ったのが判ったのか、ダキシは迷う事無く黒猫に向かって近付いた。その表情は怒りに満ちている事は誰が見ても判りきった物凄い表情を浮かべていた。 黒猫「わぉ♪顔怖いよぉ♪」 ダキシ「絶対に許さん!! 覚悟しろや!!」 黒猫「きゃ~♪アイしゃん助けてぇ♪」 アイフリード「…ダッちゃん…ハウス!!」 ダキシ「!! アイさんか!? アキに指示したのは!?」 アイフリード「そうよ?」 アイフリードが指示をした事が判ると、ダキシは諦めた様に肩を落とした。 柚梨「…ダキシさん…?」 ダキシ「…はぁ…」 黒猫「エヘヘ♪ダキしゃんは本当にアイしゃんに弱いなぁ♪」 ダキシ「…覚えてろよ、アキ…」 何故にそんなに直ぐに怒りを抑えられるのか疑問に思いながらも修羅場にならなくてほっとすると、他の面々に目を向けた。
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