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 タツオは叫びだしたい気分だった。自分の射撃の腕では、拳銃で狙撃銃をもつ相手を倒すことなどできない。没落名家の二男坊である自分には、敵が注目するほどの価値などなかった。断じて未来ある2名の男子の死に値するほど値打ちのある人間ではない。 「先に部屋に帰ってる」  タツオは半分以上夕食の残ったトレイをもって、力なく席を立った。
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