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優介さんを失うと思ったあの時、私は後悔した。
彼の優しさや、誠実さから目を背け、賢二との情事に溺れていた自分。
優介さんを取り戻す事が出来たら、もう一生彼しか見ない。
病院の廊下で、そう神様に誓った。
その願いを受け入れてくれた神様に感謝してもしきれない。
意識を取り戻した彼を見届け、自宅へと戻ったのは朝の6時だった。
「賢二、悪いんだけど出て行ってくれる?」
朝食を一緒に食べながらそう切り出した。
「はぁ?なにいってんの?」
賢二は私の冗談だと思っている。
「本気よ。優介さん目を覚ましたの」
賢二は驚くほど目を大きく開けて私を見ている。
「だから、あなたとは終わりにしたい」
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