378人が本棚に入れています
本棚に追加
母や兄にも会っていない。
もちろん京香が生まれた事も知らせていない。
私は京香を愛している。
亨さんの姿を時折かいまみれる。
それだけで幸せだと思った。
パートでの少ない給料。
それを支えてくれるのは母子家庭手当。
けっして裕福じゃないけど、二人で暮らすには十分。
京香の中に亨さんを見つけては嬉しくなり、亨さんを想い夜を過ごす。
亨さんに会いたい。
会って抱きしめて欲しい。
帰宅した京香は簡単な食事を済ませるとすぐに寝てしまった。
『ここいたいね』
同じ腕に貼られた絆創膏を京香は触りながら夢の中へと落ちていった。
その可愛い寝顔を見ながら私も眠りに落ちていく。
最初のコメントを投稿しよう!