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次の日の朝、ロキは小鳥の声とともに起き上がった。
大きなあくびを一つ、すると何かに気付いたようにして着替え、食事を済ませ颯爽と家を飛び出していった。
アンの住んでいる屋敷はいわゆる上流階級と呼ばれている。
ここらでいえばそこそこある富と権力を持った貴族である。
向こうの家と比べ、ロキの家はボロい小さな一軒家でとても裕福には思えない佇まいである。
貧富の差はあるが昔っから仲良しだ。
両親は認めてくれないけど…。
そうこう考えてる内に屋敷の前に到着。
アンのお屋敷にはまず外壁を登り、きれいに整備された庭園を渡り、屋敷の側面に向かい、アンのいる二階下で待つ。
いつもの侵入ルートだ。
そして、その下で待っているとロープのような物が吊らされてきた。
そこにロープを降りてくる赤い髪の女の子の姿が見える。
下に降りてくるとしかめっ面で覗いてくるロキがいた。
「よっとりあえず抜け出そうぜ。」
そう言うと侵入ルートを渡り、市街地へと向かった。
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