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「あれっ?アイツがいないぞ?」
アイツとは…黒ぶちの猫のことだ。
本当は二匹ペアの仲のいい猫達だったが、一匹は引き取り手がいたため残ったのがこの黒ぶちの猫だ。
「本当だ。いないね」
「どっかで道草でもくってるんじゃないか?」
「でも餌の時間になると必ず来てたよ」
「まぁまだ餌もあるし、待っていればそのうち来るだろう」
そう言うと残っていた餌を全部容器の中にいれその場を立ち去った。
すると歩いてる途中だった。
「あっロキ私行きたい所があるんだけど」
「いつもの探検か?」
「ううん、違うの。着いたら教えてあげるね」
と人差し指を口のあたりにもってきてそう答えた。
「病気が治ればどこへ行っても大丈夫なのにね」
「ああ、うん」
歯切れの悪い返事をすると上を眺めて一人物思いに浸っていた。
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