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「そんなことはさせない」
瞳に溜まった涙を拭き取り、ロキの方へ視点を変えた。
「俺が必ず守って見せるから」
「計画は3日後のいつもの場所で待ってるから」
アンはこちらの様子を伺うように体を向ける。
「二人でこの街を出よう」
そう言い放つと一気に感情を爆発させるようにアンは声を出さずただ泣きじゃくった。
そして時間だけが過ぎ去っていきロキが声をかけてきた。
「なぁ、アン」
涙の跡を消えず気づかれないように俯きながら話を聞いた。
「何?」
「この砂浜を散策しないか?」
「えっ散策?」
「いいからさ」
と言うとアンの腕を強く握り砂浜を駆け出していった。
橙色の夕陽が辺りを照らしながら二人は消えていった。
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