第1章

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キラキラした噴水、さえずる小鳥、綺麗に整えられた草木、レンガで舗装された道。 なんて素敵なんでしょう、まるでオランダだかフランスだかの様だわ。写メろ。 「...って、んなことやっとる場合かーーい!!」 危うく携帯を噴水に投げ込む所だった。 人間のツッコミの本能って恐ろしいね。 こんなのどかでメルヘンチックな場所にいながらも、俺は命の危機に直面しているらしい。 本来ならば日曜日という休日を、心ゆくまで家でゴロゴロとしながら、ニコ動やらYouTubeやらを徘徊している予定だったんだ!! それに加え二次元の可愛い女の子達とアハンウフン(...まぁ、内容は伏せよう)しているハズだったんだ!!! どうして俺がこんなところで自虐めいた一人ツッコミ劇をしているのか...、時は数日前に遡る。 その日は学校もなく、特に部活もバイトもしておらず、昼近くまで俺は自室で寝ていた。 だがしかし、ドタドタと階段を上がってくる音がして、俺は渋々目をあけた。直後、破壊されたかの様な衝撃音と共にドアが開き、掴みかかる勢いで妹が入ってきた。 「ねぇねぇねぇ!ねぇ兄貴ぃぃ!起きろ!!」 「うるせぇぇぇぇ安眠妨害で連行されろよ!!!バカなの!!?死ぬの!!??」 起きた直後に一気に頭に血が上ってクラクラした。...低血圧なんだからホント勘弁してくれ...。 「これ!これ見て!!」 目の前に突き出された一枚の紙に、目を凝らして俺はガバッと起き上がった。 「は...、まじで...?」 「まじまじ!大マジ!すごくない!?」 紙面にはこう書かれていた。 『 夕月 紅葉 様 先日ご応募下さいました、当社の最新ゲーム機のβテスターに選ばせて頂きました。 当選されました5名の方は、お手数ですが当日本社に来られますよう、お願いします。 ゲームの内容は応募内容の性別、年齢、趣味・特技欄の記述を参考の上、こちらに決めさせていただきます。ご了承ください。』 「うおおおお、お、おお..?」 「どうしたの兄貴、嬉しくないの?」 俺はこんなのに応募した覚えはないし、それ以前にβテスターとはなんぞや。 「...応募したのはどうせお前だろ」 「バレた?」 てへぺろ☆っじゃねーよ! それは置いといて...中身も知らんようなイベントに参加する訳にはいかん。 俺はとりあえず話を聞いてみることにした。
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