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準備も整い、俺を含んだβテスター五人は、ゴーグルを掛けさせられた。
脳波や心拍数なども測るらしく、吸盤のようなものをあちこちにペタペタと貼られた。
ゲーム内に現実の物を持っていけるということを確認のために、私物を手にしたまま、俺たちはゲーム開始の合図を待った。
俺は普段荷物を最小限にするため、ほとんど何も持ってきていなかった。携帯とスイカの二つを、ズボンの後ろポケットに入れていた、というくらいだ。
「それでは、ゲームを開始します」
その言葉の後に3、2、1とカウントされ、次の瞬間、俺の現実での意識は途絶えた。
気がつくと、俺は綺麗な花園にいた。
「...失敗して死んでるとかじゃないよな?天国だったりしないよなココ...」
思わず不安を口にしながら、どんなゲームなのかもわからないし、とりあえず近くにあったベンチに座ることにした。
「...ひょわっ!?」
何の前触れもなく携帯がポケットの中で振動して、情けなくも飛び上がった。
メールがきたとわかって、ベンチに座り直しながら、本文を確認した。
送信先は...ゲームの会社からのようだ。
ゲームを始める前に、五人全員に非常時や連絡用にメールアドレスと携帯番号を交換させられていたのだ。
緊張しながら内容を読む。
『ゲームにエラーが発生しました。
ログアウトが内部から出来ません。
病院に搬送し、体調管理はこちらでさせていただきますので、無理にログアウトされませんよう、お気をつけください。
少々時間は頂きますが、身体に損傷が出る心配はございません。』
「早速かよ!!!!!!」
こんなにも早く危機が訪れようとは...!
いやでもこれ、ゲームの内容によるだろ!
敵キャラに殺られたら...
→もしかして:死
「嫌だぁぁぁあ!俺にはまだやり残したことが沢山あるんだぁぁぁああ!!!」
まだ俺は16なんだぞ!高校2年生!なのに彼女どころかキスもした事ないような童貞さんなんだぞ!!!泣けるわ畜生!!!!!
「うわぁぁ嫌だぁぁ二次元に飛び込む夢見たあの頃に戻りてぇぇぇ...」
飛び込んだら飛び込んだでこんなに厄介だとは思わなかった...。
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