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このままこんなところでのほほんと過ごすわけにもいかないので、少し散策してみる事にした。
まずはこれがどんなゲームなのか把握しないと...、対処法もわからない。
花が沢山咲いてるし、この陽気...季節は春だろうか。遠くに見える建物につけられた大きな時計は、8時過ぎを指している。
それにこの服装...。
ここに来た時にはあまりの衝撃で気づいてすらなかったが、俺は学校の制服のような格好をしていた。
もちろん俺はこんな制服の学校に通っている覚えはない。
格好やゲームの雰囲気から察するに、どうやら殺伐とした内容ではない...という可能性が高いだろう。完全に安心出来るゲームとはまだわからないけど。
「制服...制服ねぇ...」
学園モノのストーリーゲーム...、とかそんな感じだといいな。
そんなことを考えていたところで、ゲームを始める前の事を思い出す。
当選した時の紙に書かれていた言葉。
年齢とか性別とか...確か趣味とか特技を踏まえてゲームを選ぶって書いてたっけな。
俺は携帯からひとつのアドレスを選び出し、恐る恐る電話をかけた。
数回コール音が鳴って、続いて聞きなれた声で「もしもし?」と、相手の声がした。
「よかったぁぁー...」
ゲーム内から外に連絡出来るんだ...。
俺の態度を訝しんだのか、相手の苦笑混じりの声が届く。
『どうしたの、てかもう着いたんだ?今からゲーム??』
「いや、ゲームなう」
『え!?じゃあゲームの中から電話してんの!?なんか凄い』
相手...俺の妹の、興奮気味な声が、電話越しに鼓膜を突き破らんとするレベルで響いてくる。
「その話は後!それよか、お前応募の時俺のプロフィール載っけただろ?!」
『え?うん』
「趣味と特技の欄!あれ、何て書いといた!?」
そう、見解するにおそらくそういうことだ。ゲーム会社側が俺たちにゲームの種類を割り振るとき、注視したのは趣味と特技。
そこから俺たちがするゲームの内容は決められたハズだ。
妹の返答を、俺は固唾を呑んで待った。
『えーっと...、あ、恋愛シミュレーションゲームって書いた!』
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