恋慕吐露

2/4
前へ
/7ページ
次へ
「それじゃあ今日は解散。また明日。」 ルイスの一声で天文部の皆々が帰り仕度を始める。 当然のように彩乃も帰り仕度を始め、入り口に向かう… だが。 「…仄香。」 彩乃は戸を潜ろうとしていた少年、早乙女仄香の袖を掴み、引き留めた。 「あ、彩乃ちゃん…?」 驚きの表情を見せ立ち止まる仄香。 そんな彼に、暫く視線をさ迷わせた後想いを告げようと口を開き… 「二人とも?鍵、閉めちゃうよ?」 鈍感王子、の異名を持つルイスの一声に出鼻を挫かれてしまう。 「うー…わかったのです…仄香、ちょっとお時間頂くのです…」 「わ、わかった。」 言葉を交わし、部室を出る。 彩乃は唇を尖らせ、軽くルイスを睨んだが生憎気付かれなかった。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加