第2章

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夜桜川家は害獣を駆除するために作られた家。 あぁ、訂正。 害獣を駆除、または従わせるために作られた家。 炎狼を従わせた人はいる、という書類は残されていない。 水孤達にはそういう書類はたくさんある。 ほとんどが水孤みたいに待つ側、試す側なのに、炎狼だけ違う。 生きるか死ぬかの境目に立たされる。 父も母もそれで生かされなかった。 小さい時は炎狼を憎んだ。 パパとママを帰して、と封印場所へ叫んだ記憶もある。 「ハハハ…」 いつか自分に回される日があると聞かされた時は嫌だった。 誰が、私の最期を見るの?って 封印場所を守護している人達? 街の人達? 本当は…家族に見守られながら最期を迎えたい。 それは誰もが思うこと。 でも、それは叶えられない。 夜桜川家は私で最後だから…。
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