第2章

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※桔梗(光秀)視点。 この時代に来てから、一年経っちゃったなぁ 空乃に接吻なんてするんじゃないわね… あの時の空乃の顔が…我慢できるわけないじゃない!! 元の時代に戻って、好きな人に会えない、覚えていないなんて拷問よ はぁ…この時代に生まれなかったなぁ… 剣道場へ向かう途中そんなことを考えていたら…。 「あ、明光先輩」 剣道部員(後輩)が話しかけてきた。 「夜桜川家と話していたんですか?」 「そうよ」 「どんな話ですか?」 「話という話はしてないわ…早く部活に行きなさいって空乃に言われたのよね」 さすが、夜桜川家ですよね、と。 「どうして、さすがなの?」 「え?夜桜川家ってこの街じゃ有名な‘妖獣使い’ですよ!?」 「妖獣使い?」 「はい」 葉月(ハヅキ)家は水の妖怪‘水孤(スイコ)’。 鎌山(カマヤマ)家は土の妖怪‘土狸(ドムジナ)’。 日向岡(ヒナタオカ)家は木の妖怪‘木猿(モクエン)’。 森塚(モリヅカ)家は金の妖怪‘金熊(キンユウ)’。 「そして、夜桜川家は火の妖怪‘炎狼(エンロウ)’です!!」 うん、他の妖獣?はわかったけれど… 「火の妖怪なのに‘炎’?」 「ええと、ですね…炎狼は他の妖獣みたいには力の加減度を無視するみたいなんです」 だから、火狼(カロウ)を炎狼に代えたみたいなんです、と。 「そう」 「ただ、炎狼は他の妖獣以上に犠牲者を」 「え?」 その後の言葉をチャイムによって消された。 「明光先輩、早く行きましょう!!顧問に怒られてしまいます!!」 「あ、ちょっ」 さっきなんて言ったの? 「置いていきます!!」 「廊下を走っちゃ駄目だよ」 ‘犠牲者を殺すんです’ってなにそれ 空乃が殺されるの?あたしの空乃が? いやいや、聞き間違いよ そうよ、絶対に…
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