0人が本棚に入れています
本棚に追加
よし、頭の中を整理しよう。
「ところでここどこよ」
そうなりますよね…
「明智さんから見れば‘未来’ですよ」
間違えてはいないはず…
「そう」
あ、考えている
「え、と…」
「まぁ、いいわ」
明智 光秀よ、と。
さっき聞きました。
「貴女の名を聴いていないわ」
「あー、えーと…」
名前はある、けど言いたくない理由がある。
「そ、それより…山下りませんか?」
何とか話をそらしたかった。
「ここでいいじゃない」
ギラッ、とした瞳がグサリと刺さる。
「いや~、私はまだここに居ちゃいけないし…」
「いるじゃない」
「と、兎に角下りますよ!」
ガシッ、と袖口を掴んで下りた。
私が通っている学校の近くに下りて、手を離した。
「あれ?カラじゃん」
あぁ、最悪
「‘また’登っていたの」
「選ばれたからいいよね」
「さすが、夜桜川家」
「じゃ、月曜日ね~」
私のクラスメイトは最悪のクラスメイト。
名前を覚えようとしないクラスメイト。
街を歩けば、夜桜川家、カラ、選ばれた者が聞こえる。
「選ばれた者?」
「知らないほうがいいですよ」
明智さんはこの時代の人じゃないですから、と私は言った。
「そうね、ところでどこに行くのよ」
「歴史を知っている人」
「?」
「後は明智さんが元の時代に帰れるかを相談しに」
街より少し離れた場所に着いた。
「炎狼さんじゃないか」
これは仕方ない。
私にはいくつもの名前がある。
どれも正しい。
どれも間違い。
「んー」
歴史を知っている人は明智さんを見た。
「なるほど…」
もう、私が言いたいことがわかったらしい。
「あんた、明智光秀だね」
言ってもいないので、明智さんは驚いている。
最初のコメントを投稿しよう!