第1章

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歴史を知っている人=外見はお婆ちゃん。 ただ、声が若い。 初対面の人は会ってすぐ混乱する。 私も初めはそうだった。 「中へお入り」 私と明智さんはお婆ちゃんの家の中に入った。 「水孤(スイコ)がね、炎狼が来るよって知らせてくれたのさ」 「?」 明智さんはキョロキョロと辺りを見渡している。 しかし、お婆ちゃん、私、明智以外誰もいない。 私から見たら、ちゃんと‘お婆ちゃんの横にいる’。 「わたしの場合は信長さんだったよ」 なんて言うから、私と明智さんは目が点になった。 普通、反対だと思う。 明智さんは狐のイメージ。 信長は魔王=炎のイメージ。 「お婆ちゃんの場合?」 もうこれ以上、頭を爆発に導きたくないので片隅へと閉まった。 「力が不安定な時に巻き込まれるのさ」 三人分の湯飲みにお茶を入れ、お婆ちゃんはズズッ、とお茶を飲んだ。 「なぁに、時間が経てば元の時代に戻るさ」 「何時間?」 「さてね」 また、ズズッ、とお茶を飲んだ。 私が悩んだ顔をしてる、と思ったのかお婆ちゃんは私達に、いや、明智さんに言った。 「炎狼さんと一緒に学校へ行けばいいじゃないかい?」 「えぇ!?」 「手続きはしてあげるよ」 「なん「お願いするわ」はい?」 なんでそんな提案を、と聞こうとしたら明智さんによって中断させられた。 「そいじゃぁ、決まりやね」 歴史上の人物と一緒に学校!? 「明智 光秀はこの時代の人達が混乱してしまうから名は変えたほうがいわな」 お婆ちゃん、その転校手続きはどこから出したの? 後、二人でテキパキ事を進めないで もう、オーバーヒートだから なんて事を横を見て思っていたら、視界に青が見えた。 『諦めろ、こうなった夏世(カヨ)は我にも止められぬ』 神社のお稲荷さんに青の粒子?が舞う。 お婆ちゃんの名前は夏世と言う。 周りは‘水孤様’とお婆ちゃんを呼ぶ。 誰もお婆ちゃんの名前を呼ばない、知らなくはないただ呼べない理由がある。 私もそれは例外ではない。 だから、さっき、お婆ちゃんが私を‘炎狼さん’って呼んだことが不自然ではない。 でも、それは私が‘炎狼’を従えていたらの話で前、お婆ちゃんにまだ‘炎狼’を従えていないので‘炎狼さん’ではありません、と伝えたことがあった。 お婆ちゃんは‘大丈夫さ、ちゃんと従えられるから’と笑い飛ばされた。
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