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あれから一年が過ぎて…。
「桔梗さんは彼氏とか作んないの~?」
クラスメイトの人気者となった光秀が教室の端っこでクラスメイトの女子らと話している。
帰らないの?
一年経っちゃったよ?
成績優秀、容姿端麗、剣道部主将…の明光 桔梗という人物をこの学校内で知らないものはいない。
帰るべき時代があるんだから帰らないといけないのに…
「あ、カラノ、例のやつ頼むわ」
廊下から先生がそう言った時、ゾクリ、と寒気がした。
なんだろう?と私は端で話している光秀らを見た。
「…」
睨んでいた。
光秀が先生を睨んでいた。
「カラノ、どうした」
「なんでもないです」
私は教室を出て、グランドの中心へ。
昨日は雨だったため、グランドがべちゃべちゃだった。
本来、これはこのために使うものじゃない。
ゴウッ!!と炎があがる。
グランドが一瞬で乾いた。
私は教室へ戻ろうとしたら…。
「空乃」
昇降口のところに光秀がいた。
「どうしたの?桔きょ…ん」
えー!?
「んはっ…桔梗?」
「接吻だよ」
「うん、わかる…けど」
なんで!?これ普通
「何考えているのよ」
ちか!!近いって!!
「なにも考えていな「うそ」」
あたしだけを見て、と。
何、何、この雰囲気!!
誰か助けてー!!とか思っていたら私を呼ぶ声が聞こえた。
「炎狼ー?」
ばっ、と光秀から離れた。
「あぁ、いたいた」
一歳年上の男性の先輩。
「マジ、可愛い」
「はっ?」
いきなり、ぎゅーしてきた。
お久し振り、オーバーヒートさん。
「式、一緒になれることを祈るからさ~」
すりすりしてくる。
待て、待て!!近くに光秀がい…ゾクリと場が凍る。
「桔梗、ヘルプー」
「駄目だぞ、炎狼」
ぎゅー。
うわぁ、手が、手が!!
「ふーん…」
光秀は冷たい視線をしたままその場を去ってしまった。
えー!?せめて、助けてから
「炎狼、好きだ、付き合って」
耳元で囁かれたら誰だって…あれ?
「炎狼?」
「先輩、ごめんなさい…授業が始まるので」
緩んだのを見逃すことなく私は教室へ。
授業始まる1分前。
机の上には大量の手紙があった。
「あぁ、それ男子先輩達からの」
‘ラブレターだよ’と女子達に言われた。
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