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全部、ゴミ箱へ。
バサバサ、と捨てた。
同じことが書かれている気がするから、さっきの先輩もそうに違いない。
というか、そうだと思う。
授業が始まって、机の中からまた出てきた。
この街の男子達は必死になる。
私はお嬢様ではない、平民さんです。
ただ、‘選ばれた者’という理由でそうなっただけ。
去年はスルーできたけど、今年はそうはいかない。
選ばれた者以外の人達にはこの気持ちが解らない。
解ろうとしない。
だから、せめて…式が始まる前に光秀を元の時代に帰さないと
授業が終わって、部活に行く人、帰る人がいる。
「ねぇ、光秀」
教室には私と光秀しか居ないので聞いてみた。
「どうして、帰るのを諦めたの?」
「あたしがここに居ちゃ駄目なの?」
「いや、だって…」
時代が変わっちゃうんじゃないか?とか色々ある。
「帰ったら、もう、好きな人に会えないじゃない…」
真っ直ぐこっちを見た。
ライクの方かラブの方か、恐らく後者の方。
「好きよ、空乃」
オーバーヒートさん、来なくていいです。
「部活に行かなくていいの?」
「空乃…」
早く、ここから走りたかった。
これ、全年齢だよ。
「空乃…」
「光秀が聞きたいこと、言いたいこと、全部後で、部屋でいい?」
震えた声が出た。
「だから、今は…桔梗に戻って」
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