だれも知らない

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きっとだれも知らない だって、それはいつだって だれにも知られないように 行われているから。 それはいつだって、 流れない涙を流して、 苦しんで 苦しんで 悲しんで 悲しんで 怯えて 怯えて そして、消えてしまった。 だれにも知られないように 消されてしまった。 声をあげることも、 動くことも できぬまま。 周りはみんな怒るけど、 だれも、なにもできないんだ。 それがみんな、悔しんだ。 明るい世界の裏側は いつだって残酷で、むごい。 どうして神様は、 もっといい世界を、 どれもが幸福でいられる世界を、 つくってくれなかったのだろう。
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