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すっかり満足して、後でまた乗ろうって一樹さんと約束しちゃいました。
ジェットコースターものって、一回じゃ物足りませんよね?
四、五回は乗らないと!!
『あ~、本当に楽しかったですよねっ!涼さんっ』
未だ興奮冷めやらずで視線を向けると、顔面蒼白の涼さんが何やら口許を抑えています。
……も、もしや。
やっぱり苦手でしたか…?
『う……ベンチ…』
『ベ、ベンチですか!?ちょっと待ってっ…えっとー…』
きょろきょろと辺りを見回し、私よりも一樹さんが先に見つけて指差しました。
『あっちにあるぞ!涼、大丈夫かよ。肩貸そうか?』
『……あぁ……悪いな…』
一樹さんに肩を借りた涼さんがふらふらしながら歩き出し、私はその後に続きました。
……車と激しいアトラクションって別物なんですね。
車だと自分が運転するから、麻痺してわからなくなるのかな?
漸く木陰にあるベンチに到着して、涼さんが弱々しく私を見つめてきました。
『ごめん、かのちゃん。先に座ってくれるかな』
『へ?…私が、ですか?』
促されて、ベンチに腰を下ろすとー……直後、涼さんが私の膝を枕にして寝転びました。
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