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「え。」
「え?」
少女はくるりと振り返る。
少女と言っても同い年くらいだと思う。
少女は僕を見ていないかのように、また前を向いた。
ただ無言でその場にいるのも、そのまま帰るのも気がひけるのでとりあえず話しかけてみることにした。
「あのー・・・何してるんですか・・・?」
「え!?」
そんなに驚くことはないだろう。
あ、知らない奴にいきなり話しかけられたら誰でも驚くか。
「あ、すいません。いきなり話しかけたりして。」
少女は鳩が豆鉄砲を食らったかのような顔をした。
少しするとハッと我に返ったようだ。
「あー・・・えっと、ちょっと風にあたりたくて。」
・・・風なんて吹いていないんだけど。
まあそれにはつっこまないでおこうか、うん。
「でも、今って授業中ですよね。サボりですか。」
「君もそうなの?」
「まあ、そういうことになりますかね。」
じりじりと照りつける太陽の下で、僕たちは黙ったまま。
じわじわと汗が額ににじむ。
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