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「君、何年生?」
「1年。そっちは?」
「へぇ、じゃあ後輩だ。私は2年。」
先輩だったのか。
・・・同い年かと思って普通に話してしまった。
先輩はフェンス越しに遠くを見つめている。
「先輩、名前は?」
「こういう時はまず自分が名乗るんじゃなーいの?」
と、こっちを横目で見ながらクスリと笑い言った。
「高城尊(タカギミコト)です。先輩は?」
「あ、同じ名前だ!私、塚本命(ツカモトミコト)。」
「私は命って書くんだけど、君は?」
「君じゃないです。僕は尊です。」
僕がそう言うと先輩は満面の笑顔でこっちに歩み寄ってきた。
近くで見ると可愛い。
・・・なーんて少し思ってしまった。
「じゃあ尊君だね。」
「塚本先輩は「命先輩!」え?」
「塚本先輩なんて堅苦しい!命先輩でいいよ。」
初対面で名前呼びか。
フレンドリーな人だ。
だけど、命先輩・・・か。
自分の名前(呼び方が同じだけだが)を呼ぶのはちょっとなぁ・・・。
「・・・自分の名前を呼んでるみたいで嫌なんですけど。」
「あー、そっか。そうだね(笑」
すると少し考えてから
「じゃあメイ先輩は!?」
「メイ、先輩・・・?」
「ほら、私の字って『メイ』とも読むでしょ?だから、メイ先輩。」
塚も・・・
メイ先輩はとても嬉しそうに言う。
確かに自分の名前を呼ぶよりはマシだ。
だけど、やっぱりこっぱずかしい気持ちもあるものだ。
メイ先輩はどこか不思議な雰囲気の人だと思った。
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