第1章

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天使達に言葉をかけ終えた大天使は、神様に 「いかがでしょうか?」 と伺った。 神様が目を閉じたまま頭を縦に振ると、AとBは恭(ウヤウヤ)しく頭を下げ自分達の作った家に戻った。 ※※※※※ 天使達がいなくなったのを確認するように神様は目を開けた。 「何だい? 金持ち家族の食事を削って貧乏家族に与えるのか?」 神様は天使と話す時よりも乱暴な口調で大天使に尋ねた。 「それが一番簡単な解決法だと思われます。」 大天使は口元に笑いを蓄えながら答えた。 「世の中のバランスを保つっていうのも大変だな。」 神様はフーと深いため息をついた。 「大変なのは私であって、神様はちょいと指先を動かすだけで結構です。」 大天使は丁寧な口調で神様に答えた。 神様はちょいと指先を動かし、金持ち家族のお米を炊き忘れさせ、貧乏家族の買い物に割引シールを付けさせた。 「お疲れ様でした。」 大天使が恭(ウヤウヤ)しく神様にお礼を言った。
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