第一章 『ホームズさんの謎』

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「ほんなら、下で渡したらええねん! はよ、ワシにコーヒーを淹れんか! お前の淹れたコーヒーが飲みたいんや」 と、また、まるで駄々っ子のように声を上げるオーナーに、ホームズさんは『やれやれ』と肩をすくめた。 「うるさいので、下で開封しましょうか。コーヒーを淹れますので」 「あ、はい。私も久々にホームズさんのカフェオレを飲みたいです」 私はクスクス笑って頷き、再び箱を手に、一階へと降りた。 って、この箱を一階から二階に運んで、また戻すって。 まるで、キスするために二階に上がったみたい。 そう思うと、急に恥かしさが募って、顔が熱くなった。
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