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「ちゃんと自分から告白なんて、意外やわ。ちょっと私の中で株が上がったかも」
「株って!」
「いや、なんや、得体の知れない怖い人やって印象が強うて。
お姉は、カッコええってのぼせとったけど。私はあのお見通し具合がほんま怖かったわ。
そして『この人、絶対に人を操れる人間や』って思ったから、自分から告白するとは思わなかったというのか」
まぁ、たしかに、斎王代事件で、何もかも見透かされた香織側としては、恐怖を感じても無理もないのかもしれない。
「でも、良かったやん。で、『彼のいる夏休み』はエンジョイできた?」
また目を輝かせて私を見る香織。
その期待に満ちた目に、
「いや、それがね」
バツの悪さを感じて、肩をすくめてしまった。
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