第三章 『失われた龍』

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――― ――――― ―――――――― 「――は、はい、ぜひ、よろしくお願いします!」 自分が少し興奮していることを感じながら、電話を切った。 マネージャーから来た電話の内容は、新たな仕事の話。 『ご実家が京都だという、秋人さんにはピッタリのお仕事かと思います』 それは、旅レポート番組の話だった。 イメージとしては『世界の車窓から』の京都バージョンといったところだろうか? 短い枠だけれど、美しい映像で京の町を伝えていくというもの。 梶原秋人、25歳。 職業、俳優。 ついに追い風が来ている。
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