第1章

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おじさんは酔っ払って、酔拳でもかましそうな具合に身体を運転している。 ヒロシもなぜか酔ったような錯覚に陥った。 ヒロシはある意味では極上の『最悪』な場面にいる。 ルールという橋からはみ出している。 だが、当のヒロシがいざその場面に『最悪』という言葉を言うはずがない。醸し出す雰囲気の中にそれはない。 ヒロシは割り箸を鼻の穴に突っ込んで腹を出して踊るオジサンにただ笑うのみだ。
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