第1章

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お母さんは台所でトン、トン、と野菜を切っている背中が寂しそうだ。 父は出張で出かけている。 母は口数が少ない。ひろしも理解していて、イジメは毎日だしあえて今日言うこともないと思った。 そうこうしている間に料理が出来上がった。 今日は野菜炒めだ。肉が入ってない奴だ。 イヤじゃなかった。美味しそうだった。 ヒロシは黙って食べようとした。 母は小声でつぶやいた。 『いただきますでしょ…。』 ヒロシは動揺した。 『い、いただきます。』
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