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「応援するわよ、もちろん。」
「それは、男だからでしょ…」
姉さんはハンカチを取り出して、鼻を押さえながら少しだけ首を振った。
「いいえ…もちろん男というところはとっても魅力的だけれど、大切なのは飛鳥ちゃんの気持ちだと思ってるわ。BLに大切なのは付き合うまでの過程なのよ。男を好きになってしまい、自分の心と葛藤しながらも抗えないその気持ち…。心情の移り変わりとか…推しのすれ違い……もちろん付き合ってからの初夜……それからドロドロにヤリまくるのもいいわ。攻めに攻められ続けられる受け、でもいざとなったら受けの方が主導権握ってたり、どんな組み合わせでも美味しいの。」
「……どの口がそんなこと言ってるの?」
こういう話になると饒舌になって話し出すの本当にやめてほしい。途中からなんの話かわからないし、ついていけない。
鼻を押さえていた白いハンカチも少しずつ赤く染まってきていて、血が落ちなくなってしまうんじゃないかと僕がソワソワしてしまう。
「ところで相手はイケメン?」
「…うん。風紀委員の人なんだけど、金髪で女の子にモテモテ…ちょっと飄々としてて掴めないとこもあるけど、とっても優しい人だよ。」
もう隠すのも面倒になって正直に話せば、いつもは死んだような目をしている姉さんがキラキラと少女のように目を輝かせていた。
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