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そんな僕の思いとは裏腹に、葵にぃは爆弾を投下した。
「治ったらまたつけてあげる」
なんでこんなにも可愛いのにSっ気があって、たまに男らしいところもあって、葵にぃはモテるのだろうか?というか彼女とかいたりするのかな?
「…遠慮しとくよ」
「そう?残念」
そう言って風紀室に鍵をかけ、僕と葵にぃは各教室へと足を進めた。
放課後にはどんなことを頼まれるのか楽しみでもあったけど、葵にぃの性格を考えるとちょっと不安でもあった。
「どうしたの?飛鳥。」
「…っひ、」
俯いている僕の顔を覗き込んでくる東雲さんの顔はびっくりするほど近かった。
昼休みになって僕は東雲さんとお弁当を食べている。
「ふはっ、飛鳥かわい…」
僕に似合わない言葉を掛けた東雲さんは優しい微笑みで僕の頭を撫でる。
最近、東雲さんの距離が近い気がする。ベンチに座る距離も、会話をしてる時も。
「ちょ、東雲さん…っ、近いです…」
「…飛鳥は嫌?」
不安そうな表情に僕は何も言えなくなる。これが友達の距離というならば、僕がただ慣れていないだけだから…。
「嫌じゃ、ないです…」
「良かった。」
そう言って僕が箸でつまんでいた玉子焼きをパクリと食べた。
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