第4章

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「気になってる人はいるかな」 「っへぇ~」 なんか意外で。東雲さんなら格好いいから色んな女の人が言い寄ってきて選り取り見取りって感じだけど、そういう東雲さんでも気になる人の存在はいるのか。 「飛鳥、応援してくれる?」 「はい!もちろんです!東雲さんなら絶対上手くいきますよ!」 「そ?じゃあ飛鳥のパワーちょうだい」 そう言って手を出してきてニコリ。 僕は条件反射で箸を置いて手をその上に重ねると、指を絡めてぎゅっと握られた。 「ちょ、これって…」 所謂恋人繋ぎってやつで、免疫のない僕は手を離そうとするけどそれは叶わなかった。 「うん、パワーもらったから頑張れそう」 そう言ってパッと手を離す東雲さんだけど、こんなところ気になる人に見られたら変な誤解されかねない。 「ねぇ、飛鳥」 なんだか東雲さんに話しかけられるたびドキッとする。東雲さんは僕が思いもよらない事をするし、僕だったら恥ずかしくてできない事を容易くやってしまうから。
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