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「ねぇ、姉さんはもし自分には釣り合わないような素敵な人が告白してきたらどうする?」
ちょっとアドバイスをもらうつもりで聞いてみると、姉さんは目をスッと細め、いつになく真剣な表情をして僕の瞳を見つめた。僕はそのピリッとした雰囲気にゴクリと生唾を飲み込んだ。
「飛鳥ちゃん、告白されたの?」
「えっ、いや…あのそれは…」
「されたのね」
ジッと僕の顔を見て、自分の唇に人差し指を当てて考える仕草をする。綺麗な顔をしている人が真剣な顔をするだけでこうも緊張感が漂うのかと感心していると、ゆっくりと姉さんの唇が開いた。
「相手は男?それによるわね。」
「えっ!!?」
まともな答えを求めた僕が馬鹿だったけど、姉さんの質問はきちんと的を得ていて、このままでは墓穴を掘って姉さんの標的にされてしまう。
「お、女の子に決まってるでしょ!あの、その、」
「あら、いつの間にそんなお友達が出来たのかしら?おホモだちだったら歓迎するのだけれど…」
たしかに僕には女の子の友達なんて皆無だし、男の子の友達でさえいない。
焦り始める僕を見て姉さんの唇はニンマリと弧を描いた。きっと何か確信を持ったのだろう。
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