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僕は柏木くんにお礼を言って教室をそっと出た。早歩きで風紀室へと向かう。
そういえば僕、風紀委員長のこと一回も見たことないなぁ…
どんな人か想像してたら風紀室についてしまった。因みに僕が想像したのは魔王みたいな人。
緊張しつつも早くしないとブチ切れされそうなのでドアを開いた。
「失礼します…」
「遅い!」
入ってすぐに怒鳴られて肩をビクッと震わせた。
怒鳴った張本人は革製の大きな椅子に座っているようだが、後ろを向いていて顔は見えない。
「すっ、すみません…」
「こっちに来い」
言われるがまま椅子の近くまで来ると、その椅子がくるりと回って風紀委員長の素顔を見ることが出来た。
「相変わらず存在感がないな」
机に頬杖をついて、ふんっと鼻で笑うその風紀委員長は僕がよく知っている人だった。
「…あ、おい…にぃ…?」
「なに?飛鳥」
僕を見上げるその人物は僕の幼馴染であり、兄のような人だ。
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