第1章

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僕は柏木くんにお礼を言って教室をそっと出た。早歩きで風紀室へと向かう。 そういえば僕、風紀委員長のこと一回も見たことないなぁ… どんな人か想像してたら風紀室についてしまった。因みに僕が想像したのは魔王みたいな人。 緊張しつつも早くしないとブチ切れされそうなのでドアを開いた。 「失礼します…」 「遅い!」 入ってすぐに怒鳴られて肩をビクッと震わせた。 怒鳴った張本人は革製の大きな椅子に座っているようだが、後ろを向いていて顔は見えない。 「すっ、すみません…」 「こっちに来い」 言われるがまま椅子の近くまで来ると、その椅子がくるりと回って風紀委員長の素顔を見ることが出来た。 「相変わらず存在感がないな」 机に頬杖をついて、ふんっと鼻で笑うその風紀委員長は僕がよく知っている人だった。 「…あ、おい…にぃ…?」 「なに?飛鳥」 僕を見上げるその人物は僕の幼馴染であり、兄のような人だ。
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