第1章

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「葵にぃが鬼の風紀委員長だったの?」 葵にぃは加藤 葵(かとう あおい)って名前で僕の一つ上で3年生だ。 「”鬼の”は余計だけどそうだよ」 「あり得ない…」 「は?」 あり得ないよ…こんな、こんなに可愛い小動物が鬼の風紀委員長だなんて…!!! 眉間にシワを寄せて僕を見てくるその瞳はぱっちりとしていて猫目で、髪はフワフワのハニーブラウンで、ほんっとに可愛いんだよ! 「お前また馬鹿なこと考えてない?」 口調は見た目の割りにキツイけど、そこがまたいいんだよ。かわいいの。 「飛鳥」 「はっ、はひっ!?」 鋭いその声に驚いて声が裏返ってしまった。そんな僕を黙って見つめる葵にぃ。 「僕がなんでお前を呼んだか分かってる?」 「……え?」 そういえば何で呼んだんだろ?
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