第1章

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ーガラガラ 「仕事、終わりました。」 ドアを開ける音がしてそちらを見ると隣クラスの高橋君のお友達が立っていた。 あの人、風紀委員だったんだ。クールでかっこいい… 「ご苦労様。帰っていいよ。」 チラ、と一度僕に目を向けたような気がしたが、すぐに教室を出て行こうとする。 「そうだ」 「なんですか?」 教室を出て行こうとする足を止めてその人が振り返った。 「高橋って奴、ちゃんと注意しておけよ。」 葵にぃがそう言うと、全く表情を変えずに、 「俺が面倒見てるんで心配ないです。」 それだけ言うと教室を出てスタスタと歩いて行った。 葵にぃはそれを見届けるとひと息ついて、立ち上がった。 …あれ? 「葵にぃ、背縮んだ?」 「ぁあ?」 「ひぃいいいぃ、だって目線同じくらいなんだもん。」 葵にぃは前まで僕より少し高かったけど、今はあまり変わらないようだった。 「犬の分際で生意気。僕を見下したりしたら許さないよ。」 ニコリと笑った顔はとても黒いオーラが滲み出ていてゾッとした。
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