第1章

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後ろから受け取った紙の上に自分の紙を重ねて柏木君の肩をトントンと叩くと柏木君が振り返った。 「…あ、これ……」 紙を渡すと、柏木君はそのまま前に渡してしまった。書いてないのかな? というか、ずっとこっち見てる… 「さっき大丈夫だった?」 「…え?」 「あいつまじで怖かった。黒いオーラ出てたし。」 恐らく柏木君は僕が説教されたと思ってるんだろう。 僕が返事をしようとすると、ホームルームが終わったのか柏木君はクラスメイトに呼ばれる。 「…じゃ、あんまり気にするなよ」 僕が黙って頷くと柏木君はどこかへ行ってしまった。 僕は無意識に目線を机の上に落とす。 僕は口下手だから話すことが苦手だし、声が小さいし、折角話しかけてくれたのにまた…… はぁ、とため息をついて机に突っ伏した。
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